羽田空港の第1ターミナルにあるファーストキャビンに泊まってきました。個室ではなくキャビンタイプの簡易ホテルですが、早朝便に乗るのにエスカレーターひとつ登るだけで出発ロビーに辿り着くというのはすっごく楽でした。ただ、空港内なのに大浴場があったりと嬉しいことがある反面、キャビンタイプにしては強気な価格帯であったり、個室ではないので他の宿泊客が気になったりしました。
客室はカプセルホテルのようなビジネスクラス、個室に近いファーストクラスとあり、どちらにも宿泊したので比較しながら使い勝手をまとめてみました。
※2023年4月現在の情報となります。
宿のざっくりまとめ
宿泊形態 | キャビン(半個室) |
チェックイン | 19:00~28:00 |
チェックアウト | 10:00 |
大浴場 | あり |
テレビ(キャビン内) | あり |
男女エリア | 完全男女別エリア分け |
ファーストキャビンへの行き方
羽田空港は3つのターミナルがありますが、ファーストキャビンは第1ターミナルにあります。
京急線や東京モノレールで羽田空港第1ターミナルに到着した場合、地下1階でターミナルビルに繋がっています。地下1階のエレベーターホールから上を見上げると、ファーストキャビンロゴが見えます。
1階に上がりました。第1ターミナルは横長の単純な構造なのですが、フロアの中央付近にあります。
郵便局やみずほ銀行、パワーラウンジの並びです。
周囲には案内表示も多いので、迷わずに辿り着くことができました。
T3の国際線を使う時の注意
ファーストキャビンは第1ターミナル(以下、T1)にあり、同じく国内線の第2ターミナル(T2)も徒歩で移動できます。ただし、国際線の発着がある第3ターミナルとはかなり離れています。
T3は24時間営業なので、朝5時出発、深夜25時に羽田に到着などというスケジュールの便が普通にあります。T3にも直結のホテルがありますが、最低でも1万円を超えるため、ちょっと仮眠したいだけの場合には使いづらいと思います。ならばT1のファーストキャビンに行こうと思うのですが、深夜早朝には無料連絡バスは運行しておらず、タクシーでの移動(運賃約1,000円)が必要となります。一応徒歩でも移動できますが40分以上かかります。
第1ターミナル | 国内線 | JAL、JTA、スターフライヤー、スカイマーク |
第2ターミナル | 国内線・国際線(※) | ANA、エアドゥ、ソラシドエア、スターフライヤー(北九州便のみ) |
第3ターミナル | 国際線 | 国際線乗り入れ航空会社各社 |
T3→T1と昼間に歩いたことがありますが、1㎞ほど続くトンネルがあったり、昼でも人があまり通らないのでかなり心細かったです。安く抑えたい場合、T3では空港のベンチで仮眠する人も多いですが、平和島温泉の深夜早朝送迎プラン(4,500円)を利用したり、深夜バス(※2023年5月現在ではほとんど運休中)+主要駅でのネットカフェ利用など、他の手段を検討した方がいいと思います。
宿泊レポート
チェックイン・チェックアウト
こちらが入口。フロントは撮影禁止だったので写真はないですが、広々としていました。
フロントでチェックイン。前会計なので現地精算にした人は支払いを行い、男女別フロアに入るためのカードキーを受け取ります。アメニティはフロントの横に置いてあります。
チェックアウトは簡単。フロントにカードキー返却ボックスがあるので、そこにカードキーを戻すだけです。朝5時過ぎにチェックアウトしましたが、フロントは無人でした。
客室は完全男女別
客室フロアは男女別に分かれていて、入口に施錠がしてあります。カードキーをリーダーにかざすとドアが開きます。
女性用フロアのフロアマップですが、ビジネスクラスとファーストクラスのキャビンが半々くらい。
アメニティ
歯ブラシ、ボディタオル、イヤホン、耳栓
フロント横のアメニティが置かれています。私は使わなかったですが耳栓もあります。
館内着、バスタオル、フェイスタオル、使い捨てスリッパ、ティッシュ
こちらはキャビン内に用意されていたものです。
館内着は7分袖、7分丈。ちょっとドーミーインぽい。
販売もしているようです。
大浴場の項目で詳しく書きますが、洗面台や大浴場に基礎化粧品、メイク落とし等もあり、メイク用具さえあれば大丈夫だと思います。
ビジネスクラスキャビン
まずはビジネスクラスのキャビンから。
キャビンとカプセルホテルの違いといえば、カプセルホテルの場合は上下2段式であることがほとんどですが、キャビンは1段。なので天井までの高さがあって圧迫感が少なく、着替えも楽です。
ゴミ箱(すごく小さい)は入口の足元に。
ベッド脇に鍵付きロッカーがあります。奥行は15cmほどですが、横に長く、ペットボトルも立てたまますっぽりと入る深さ。貴重品だけでなく普段使いのバッグやリュック程度ならそのまま入ると思います。
枕元にコンセント1口、照明のボリュームボタン、LANポートがあります。照明のスイッチはキャビンの入口付近にも付いています。
ティッシュとテレビのリモコンも枕元にありました。ハンガーは2つ。
入口の上部にテレビが付いています。音が出ないようになっているので、テレビを見る人はフロント横のアメニティ置場にあるイヤホンを利用しましょう。
簡易宿泊施設のため施錠はできません。
ブラインドを全部下ろしてみましたが下に10cmほど隙間ができます。ベッドの高さがあって外からは何も見えないので、特に気になることはありませんでした。
それと気になることと言えば、スーツケースの置き場がない。私はリュック派なのでベッドの端に置いて事足りたのですが、施設内にスーツケースの専用置き場はありませんでした。他の方の様子を見ていると、ベッドの足元に置いてスクリーンを下ろせるところまで下ろす方と、諦めて通路に出している方がいました。チェーンで固定できる訳でもないので、防犯的に少し怖いなと思いました。
大きな荷物に関してはフロントで預かってもらえるそうです。(チェックイン前と滞在中のみ)
ファーストクラスキャビン
お次はファーストクラスキャビン。
こちらはビジネスクラスと比べるとかなり広々。キャビンというより個室に近いです。
ベッドの下に鍵付きの引き出しがあります。
枕元にコンセントが2口。その他、非常ボタン、照明のボリュームボタン、風量調整ボタン、LANポート、イヤホン接続口があります。
椅子はないですが小さなテーブルがあり、ティッシュとTVリモコンが置いてあります。ハンガーは2つ。
テレビはこんな感じで見られます。音は出ないのでイヤホンを使います。(アメニティにあり)
枕元だけでなく、キャビン入口にも照明のスイッチがあります。
ファーストクラスキャビンの出入口はアコーディオンカーテンになっていますが、こちらも施錠はできません。そして上下に10cmほどの隙間があります。通路から中が見えることはないのですが、部屋の前を通る人の会話はダイレクトに聞こえてきます。
大浴場・洗面所
※撮影禁止のため空港内に掲示の施設案内板の写真より
大浴場 | 13:00~翌10:00 |
シャワーブース | 24時間利用可能 |
シャンプー・コンディショナー・ボディソープ(ペリカン石鹸のプロバンシア)、オイルクレンジング(資生堂)、フェイスウォッシュ(MARGARET JOSEFIN)
脱衣所には鍵付きロッカーはなく、カゴが置いてあるだけなので、貴重品を持って来てはいけません(キャビン内のセーフティボックスへ)。
大浴場はあまり大きくありませんが、5~6人が入れる大きさ。洗い場は6つあり、それぞれにシャンプーやクレンジングなどが完備されています。洗い場は隣との仕切りはないタイプでした。
大浴場とは別に、シャワーブースが2つありました。
オイルクレンジング・フェイスウォッシュ・化粧水・乳液(MARGARET JOSEFIN)、綿棒、コットン、使い捨てブラシ、紙コップ、ドライヤー4台、ヘアアイロン2台(いずれもパナソニック)
脱衣所に隣接してパウダールームがあります。椅子付きの洗面台は10あり、比較的ゆったりとしています。
ただし朝のパウダールームは混む可能性があります。4時半に起きて5時過ぎにチェックアウトした時はさすがに空きがありましたが、以前、朝5時半頃に使った時には洗面台がメイクのために混雑していました。女性のキャビンは63室あり、早朝便に乗るために宿泊している人も多いと思うので、メイクで独占されてしまって洗顔と歯磨きだけしたくても空きがなく、シャワーブースでかるくシャワーと洗顔、歯磨きをし、メイクは自分のキャビンでして出発しました。
コインランドリー
洗濯 200円(洗剤自動投入)、乾燥 100円/30分
空港の中なのにコインランドリーがあるのはありがたい。男女それぞれのエリアで1セットずつ設置があります。1台しかないですが、あまり使っている人はおらず、毎回待たずに使っています。
通話ブースと着替え室
キャビン内での通話は禁止なので通話ブースがありました。着替え室という更衣室みたいな場所もあります。ファーストクラスは問題ないですが、ビジネスクラスキャビンはベッドの上しかスペースがないため、着替えがしづらい人はこちらを利用するといいと思います。(私はビジネスクラスキャビン内での着替えは普通にできました)
共用スペース(ラウンジ)
男女共用ラウンジ
※現在写真撮影不可ですが、以前パンデミック中の超閑散期に許可を得て撮影した時の画像です。
フロント横に男女共通のラウンジがあります。キャビン内での飲食も可能ですが、こちらの方が広々していて使いやすいと思います。ホテルの中ではありますが空港の共用スペースのような場所なので、スリッパや館内着で出てくる人は見たことがありません。
ファミマの軽食自販機(サンドイッチ、おにぎり、カップ麺など)やアイスクリーム、ソフトドリンクとお酒の自販機があります。カップ麺用のお湯はフロント横に用意があります。
女性スペース内ラウンジ
※こちらもパンデミック中の超閑散期に許可を得て撮影した時の画像です。
こちらは女性エリア内にある共用スペース。自販機はソフトドリンクの他、ストッキング(福助)の自販機がありました。ここは館内着で寛げますが、グループで宿泊している人のおしゃべりスペースのようになっていることが多いです。
無料Wi-Fi
無料Wi-Fiがあり、動画も問題なく見られました。
飲食物の持ち込みについて
外部からの飲食物の持ち込みは可能です。共用スペースだけでなく、キャビン内での飲食もOK。ただし、キャビン内で飲食する時は強い匂いが出るものや音(せんべいとか?)に配慮をするようにと注意書きがありました。
アラームの使用について
最初にフロントで説明を受けたのですが、「アラームは使用してOK。ただし小さな音ですぐに止めてください」とのことでした。ただ、2023年4月現在、個別の声掛けサービス(モーニングコール)を休止しており、そのための特別措置かもしれません。
紙面で渡された館内案内と施設内の掲示板には「アラーム禁止」と書かれていて、状況が変わる可能性があるため、宿泊の際には施設に確認をお願いします。
まとめと感想
深夜から早朝まで人の動きがあって神経質な方には向かないと思いますが、空港内なのでとにかく楽。最新の宿泊時にはJAL(T1)の朝6:20発の便に乗ったのですが、5時半くらいにホテルを出て楽々間に合いました。前日に大浴場でゆっくりと温まったので疲れが取れ、エスカレーターをひとつ上がれば出発ロビーなのが大きかったです。
最初は割高だな、しかも個室でもないのにと思っていたのですが、空港内ならまあ許容範囲。T1もしくはT2の国内線早朝便に乗るのであれば利用価値があると思います。空港近隣や蒲田のビジネスホテルに泊まった方が安いと言う方もいますが、朝6時過ぎの便に間に合うように送迎してくれるホテルでファーストキャビンと同等価格以下の所って意外と少なく、ここに泊まるよりも30分~1時間は早く起きなければなりません。ただ、アラームを大音響で鳴らすことはできないので、そうしなければ起きられないという人は近隣のビジネスホテルにした方がいいと思います。
どちらの客室がいいかと言えば、ファーストキャビンは確かに快適。スーツケースを室内で広げられることや、物理的な圧迫感がこんなに違うものかと感じました。ただ、個室じゃないので中途半端感は否めず、滞在時間も短いので私はビジネスクラスで十分だと思います。
それでは楽しい旅を。
チェックイン | 19:00~28:00 |
チェックアウト | 10:00 |
朝食 | なし |
禁煙・喫煙 | 全室禁煙(喫煙所あり) |
フェイスタオル | ○ | ドライヤー | ○ |
バスタオル | ○ | ウォシュレットトイレ | ○ |
歯ブラシ | ○ | 大浴場 | ○ |
寝巻き | ○ | サウナ | × |
使い捨てスリッパ | ○ | コインランドリー | ○ |
シャンプー | ○ | 自販機 | ○ |
コンディショナー | ○ | 売店 | × |
ボディソープ | ○ | 無料Wi-Fi | ○ |
ボディタオル・スポンジ | ○ | 枕元のコンセント | ○ |
かみそり | ○ | USBポート | × |
綿棒 | ○ | 携帯充電コード | × |
コットン | ○ | 延長コード | × |
メイク落とし | ○ | テレビ | ○ |
基礎化粧品 | ○ |