東京竹芝客船ターミナルから出港し、伊豆大島など5島を巡って神津島まで運航する東海汽船のさるびあ丸ですが、オフシーズンの金・土曜のみ横浜大さん橋に寄港します。東京ー横浜区間のみの乗船も可能とのことで乗ってきました。時間帯が遅いことと、真冬なのでデッキには強烈な寒風が吹き荒れて…。それでもオフシーズンならではの静かなデッキでとても楽しく夜景観賞をすることができました。それにしても寒い。
(旅行時期 2022年1月)
横浜で途中乗下船できる曜日と時刻
※ハイシーズンである夏期(7月~9月中旬)、GWの横浜寄港はありません。
◆東京竹芝発:金曜日、土曜日
東京竹芝 | 横浜大さん橋 | |
22:00 | ⇒ | 23:20 |
◆横浜大さん橋発:土曜日、日曜日
横浜大さん橋 | 東京竹芝 | |
18:10 | ⇒ | 19:45 |
時間だけ見ると、横浜から東京まで行く逆航路の方がいいよねとなりますけどね。横浜→東京は東京湾夜景クルーズという1000円で乗船できるイベント的なことをやっていて、MCの方が夜景の案内をしたり、謎解きイベントをしたり、デッキで飲食販売をしたりと賑やかなんです。グループやカップルの方はそちらの方が楽しいと思いますが、私のように混雑が苦手で静かに夜景を楽しみたい人はおのずと東京→横浜航路に乗ることになります。
また夏期は「東京湾納涼船」という竹芝旅客ターミナル発着のクルーズを運航しています。
乗船運賃について(ネット割引あり)
さるびあ丸は特等から2等まで客室がありますが、1時間20分乗るだけですし、夜景を見るために主にデッキにいると思うので1番安い2等客室の乗船券を購入します。2等客室は和室と椅子席があるのですが、今回のように短時間で下船する場合は椅子席の方が使い勝手が良いと思います。
乗船運賃は時期によって変わりますが、今回乗船した2022年1月の時点では2等運賃1,550円でした。ネット予約もできるのですが、私は予約期限に間に合わずに当日窓口で購入しました。
チケット窓口は出航の2時間前(20時~)から開きます。
※2024年4月よりネット予約の期限、割引率が変更となります。
東海汽船公式サイト(割引率改定について、2024.1.11)
東京竹芝旅客ターミナルの場所
旅客ターミナルはゆりかもめの竹芝駅に隣接していますが、通常はJR山手線の浜松町駅北口からの利用が便利だと思います。徒歩10分くらいです。
レポ①ターミナル到着から乗船まで
竹芝旅客ターミナルへ
出港時間は22時なのですが、どこかでご飯を食べようと19時頃に浜松町駅に着きました。竹芝旅客ターミナルに行くには北口改札から外に出ます。
普通に大都会なのですが、こんな場所に港があるのがすごい。近隣のビルに入れば食べるところはいくらでもあるのですが、これから船に乗る高揚感からか食べたいものも浮かばずに旅客ターミナルに直行。
竹芝旅客ターミナルに着いてしまいました。
レストランHARBORで夕飯
さるびあ丸の船内にも食堂はあるのですが、この時は流行の疫病対策のため夜間の営業を休止していました。たとえ営業していたとしても、1時間20分しか乗らないのに食堂に入ってしまったら夜景が楽しめないと思って、ターミナル内にあるレストランHARBORで乗船前に食べておくことにしました。
ディナーの営業日は金曜だけの模様。時短営業ですが20時までは入店できます。
お食事というよりも居酒屋ですね。半分位が明日葉のおひたしなどの島メニュー。乗船チケットを持っている人限定の釣り人セット1000円を頼みたかったんですけど、まだ窓口のオープン前で乗船券を買っていないので注文できませんでした。(予約確認のメールなど購入を証明できるものの提示でOKだそうです)
明日葉の天ぷら、唐揚げ、島パッションチューハイ(タカラの地域限定ドラフトチューハイ)を注文。最後に島のり茶漬けを食べました。伊豆諸島の島にいっぱい生えている明日葉、癖もなくて天ぷらにすると本当に美味しい。横浜までと言わずに伊豆大島まで行きたくなってきた。
メニューは居酒屋ですけど、それなりにおしゃれな店内。店内にいる全員が1人客なのでとても入りやすい。
乗船券を購入する
乗船の2時間前、20時になると窓口が開きました。私のように予約をし損ねて当日購入する人だけでなく、ネットや電話等で予約済みの人も当日窓口で乗船券との引き換えが必要となります。
購入しました。横浜まで2等でと伝えると「和室でいいですか」と言われて、よく知らなかったのでそのまま和室を購入してしまいました。2等には和室だけでなく椅子席もあるようで、そちらを希望した方が船内で休憩する時に便利だったかなと思います。
乗船前に必ずやらなくてはいけないのが、乗船券の右側に付いているご乗船票への必要事項の記入です。窓口の近くに乗船票記入台があるので、氏名、住所、電話番号等、全ての項目を記入しておきます。
御船印の購入
御船印を集めている人はSHOP竹芝(という名のヤマザキショップ)で購入できます。船内と横浜大さん橋での販売はありません。
東海汽船は乗船しなくても全ての御船印を購入できるのですが、自分が乗った船だけを購入するという自分ルールがあるのでさるびあ丸だけを買いました。
他に竹芝客船ターミナル内案内所では、来港記念の御船印を販売しています。
◆営業時間 | |
SHOP竹芝 | 7:30~9:30,11:00~13:30,19:00~22:30 |
竹芝客船ターミナル内案内所 | 9:30~20:00 |
日付もレジで入れてくれました。地道に集めているので、まだまだ先は長い。
レポ②さるびあ丸乗船から下船まで
乗船開始
竹芝旅客ターミナルにはA-1~A-3まで3つの乗船口がありますが、この日はA-3でした。乗船券購入時に窓口で案内がありますが、ターミナル内にもさるびあ丸の乗船口案内が出ていました。
乗船口前の待合所の椅子で待っていると出航20分前(21:40)に乗船が開始されました。乗客は少なめで、島に釣りに行くであろう人が多かったです。公式サイトを確認すると、出航の15分前を過ぎると乗船できないと書かれていました。
この人道橋を渡る前に係員がいるので、事前に記入をした乗船票を渡してから船に乗り込みます。
さるびあ丸の船内
さるびあ丸は2階から7階まであり(乗客が出入りできる場所)、乗船口があるのは4階です。
一応、3階にある自分に割り当てられた2等和室を見に行きました。どのブースを使うかも番号で指定されています。この日は他に誰も来ないようだったのですが、ここで一晩過ごすとしたらコンセントが部屋に2口だけで、枕元にないのが不便だなと思いました。頭上にコイン返却式のロッカーがあります。毛布は100円で借りられます。
こちらは2等椅子席。東京→横浜間だけの乗船だったら、荷物を置いておいたり、寒くなって休憩したりするのに椅子席の方が便利だと思います。椅子席は全席にUSBポートの設置があります。次回乗る時には椅子席にしようと思います。
今回は横浜で下船するので詳しく書かないですが、大浴場はなく有料のシャワー室があります。6階には食堂があり、本来は竹芝を出港後24時頃まで営業しているのですが、このご時世のため休業していました。
デッキのどこで夜景を見るのがよいか
さるびあ丸は旅客専用の船のため、大型フェリーと違ってデッキはあまり広くありません。海を眺めたり夜景観賞ができる場所は5階~7階にある4か所となります。
①6階デッキの後方
1番見やすいと思うのは①6階デッキの後方です。
乗船口のある4階から6階に上がり、デッキに出ます。イベントなどが出来るようにステージも用意されています。
椅子とテーブルもあって、ここで持ち込んだものを食べることも可。
①6階デッキの後方、ここが1番夜景や橋が見やすいと思います。この部分は屋根がないので視界が開けていて、後方、左右の三方向の夜景を見ることが出来ます。
さるびあ丸はこの写真のようにデッキの端に設備が配置されている個所が多く、海や夜景、橋がよく見える場所が限られてしまいます。(これは6階後方デッキから見たレインボーブリッジ)
②7階の展望デッキ
これはもう1階上、②7階の展望デッキ。床が柔らかい素材になっていて寝ころびながら星空を見られるようになっています。照明も薄暗くなっていて星を見るにはよいのですが、デッキ周りには設備があって海や夜景は見づらいです。
なのでやはり私は6階デッキの後方で主に夜景を楽しみました。
③6階サイドと④5階サイド
③6階サイドと④5階サイドにも少し視界が開けた場所があります。屋根もあって6階デッキ後方より風はだいぶ防げます。④5階サイドにはベンチも用意されています。片側サイドしか見えないのが難点。
出港
22時ちょうどに竹芝旅客ターミナルを出港しました。いってきます!
夜景観賞スポットまとめ
①竹芝旅客ターミナル周辺の高層ビルとマンションの明かり
②東京タワー
③東京スカイツリー
④品川埠頭のキリン(ガントリークレーン)
⑤東京ゲートブリッジ(スカイツリーも一緒に見えます)
⑥羽田空港と飛行機の連なる明かり
⑦横浜ベイブリッジ
⑧マリンタワー
⑨ランドマークタワーと大観覧車
こんな感じで順々に夜景が見えました。
実際にこんな感じで夜景を楽しみました
後方に見える①竹芝旅客ターミナル周辺の高層ビルとマンションの明かり。こんな大都会に港があることが驚き。東京スカイツリーも見えます。
進行方向右側には②東京タワーもきれいに見えます。
③レインボーブリッジの下を通ります。
レインボーブリッジを通り過ぎると、東京タワー、レインボーブリッジ、東京スカイツリーが全部見えます。
きれいなんですけど、段々と芯から冷えてくるというか。風も強くなってきました。ちなみに私はホカロンを腰に貼って極寒ヒートテックにダウンを着込み、厚手ウールのストールと手袋で完全防備です。ダウンのフードもずっと被っていました。
次は④品川埠頭のキリン(ガントリークレーン)
恐竜が向い合っているような姿の⑤東京ゲートブリッジの向こうにはスカイツリーも。スマホなので暗くて上手く映りませんが。
これも全く上手く映らないですけど、⑥羽田空港と着陸する飛行機が続いて降りてくるところ。点々としているのが着陸しようとしている飛行機です。
この羽田沖は寒さのピーク。デッキには強い寒風が吹き荒れていました。少しの間、夜景の大きな見どころはないので自販機で温かい飲み物を買って休憩を取るのもいいかもしれません。(私はデッキで強風に吹かれながら物思いにふけっていました)
そうこうしていると現れたのは⑦横浜ベイブリッジ!真下を通ります。
横浜ベイブリッジの真下は初めて通りました。感激してしまった。
⑧マリンタワーが見えます。
もうそろそろ横浜大さん橋に到着ですね。⑨ランドマークタワーと大観覧車。横浜の夜景もきれいです。
下船
本当は23:20着なのですが10分ほど遅れての到着です。この時間の10分はでかい。徒歩圏内に宿を取っておいて良かったです。
横浜大さん橋到着の10分前くらいになると、下船者は準備をして4階の下船口前に集まるようにとアナウンスがありました。
横浜で下船する人は全部で3人いました。1人は仕事帰りのサラリーマン風のオタク、もう1人は大学生風のオタク、そして私です。こんな寒い時期にわざわざ船に乗りに来るなんてと下船口で待っている時に勝手に他の2人との連帯感を覚えました。
横浜大さん橋では簡単なタラップみたいなものを渡って下船。
私以外の2人は慣れているようで走るように船がよく見える場所に。そして3人ともが乗ってきたさるびあ丸をパチパチと写真撮影。
伊豆大島に向けて出港していくさるびあ丸。さようなら、いってらっしゃい!
今夜の宿へ
横浜大さん橋のターミナル内ですが、係員の方が何人かいて出口まで誘導してくれます。どの方も感じが良いですが、時間も遅いですし、お前らさっさと帰れよ俺らの仕事が終わんねぇだろと思われている可能性は大です。
ターミナルの建物を出ました。23:20着の予定が少し遅れて23:30到着となり、船の写真を撮るなどしてこの場所に到着したのが23:40です。
◆みなとみらい線日本大通り駅まで750m(徒歩 約10分)
◆JR関内駅まで1.4㎞(徒歩 約15分)
予定通り到着したとしても京浜東北線沿線民だと上野までしか行けないので、事前に宿の予約をしておきました。本当だったら疲れているし大さん橋周辺がいいですけど、海の近くは高級ホテルが多いので手頃なビジネスホテルが集まる関内駅周辺へ。
ホテルマイステイズ横浜関内に宿泊。チェックインは29時までOK。通常のチェックアウトは11時ですが12時までのレイトチェックアウトプランでゆっくりしました。新しくてとてもきれいなホテルです。関内駅8番出口まで徒歩1分という立地も便利でした。
関内駅周辺まで行けばネットカフェも複数あります。関内の快活クラブは鍵付き個室のみでかなり価格高めの設定。節約したい場合は他を探した方がよさそう。まあ宿はたくさんあるエリアなので、よさげな節約宿があったらまた追記します。
感想
横浜大さん橋に立ち寄る航路は初めてだったのですが、レインボーブリッジと横浜ベイブリッジの2つの橋を通ることを始めとしてクルーズ船のような華やかな夜景を眺めることができました。1月のオフシーズン、しかも1番寒い時期なので乗客も少なく(まあ流行の疫病のせいもある)、デッキを独り占めと言ってもいい状態で大変満足でした。
2020年11月に伊豆大島に行った時にもさるびあ丸に乗ったのですが、その時は翌日のことを考えて早く寝なくてはならず、ゆっくりと夜景を見られなかったことと、まだそれほど寒くない時期でデッキが混雑していたので、今回静かな環境の中で乗船できて良かったです。
イベント(東京湾夜景クルーズ)として売り出している横浜→東京の逆ルートも楽しいとは思うのですが、静かに夜景を楽しみたい人には東京→横浜の航路、そして今回のような1~2月の極寒期の乗船をお勧めします。真冬の北海道に行くくらいの防寒で挑むとよいと思います。
それでは楽しい旅を。