【2社参拝で完成するお守り】東と西の叶神社参拝と浦賀の渡し(横須賀市)

浦賀の渡しで東西の叶神社参拝 神奈川県
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京急線での日帰り旅。前半は浦賀港を挟んで東西にある叶神社を参拝しました。西叶神社で勾玉を、東叶神社でお守り袋を授かって完成するお守りや、東西で対となる狛犬など、見どころが多くありました。自分の記録として、見聞きしたことや調べて知ったことなどをまとめました。

また、この2社を繋ぐのは1725年(享保10年)から続く風情ある浦賀の渡し。眺めの良い場所を見つけつつ、カフェなどに寄りながらゆっくりとお参りしてきました。

(旅行時期 2022年5月)

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浦賀駅から西叶神社へ

浦賀駅駅名票

京急の浦賀駅からスタート。品川からは1時間ほどで着きます。

浦賀海道沿いの遊歩道

どちらの神社から参拝しても問題ないようだったので西叶神社からお参りすることにしました。

バスもありますが、天気が良いので浦賀駅から歩きました。徒歩15分くらい。途中からは海の見える遊歩道があって、歩いているうちにどんどんと気分が良くなっていきました。

西叶神社の鳥居

遊歩道を進むと、東岸に渡る浦賀の渡しの西渡船場があり、すぐ右側を見ると西叶神社の鳥居が見えます。

浦賀ペリー歯科の外観

鳥居のすぐ横に無視しようにも無視できないほど、すごいご当地な歯科医が。ペリーが浦賀にやってきたのは1853年のことです。

西叶神社入口と駐車場

右側は神社の駐車場になっています(8台、無料)

西叶神社にお参り

西叶神社

なぜ東西2つの叶神社があるのか

東西にある2つの神社はどちらも「叶神社」ですが、便宜上、西岸にあるこちらを「西叶神社」、東岸の社を「東叶神社」と呼んでいるようです。

東西2つの叶神社の創設については諸説あります。西叶神社の由緒書きによると、元々、浦賀には西叶神社だけがあり、1692年(元禄5年)に江戸幕府が浦賀を東西の村に分けたため、東岸の村人が今まで通り同じ神様にお参りできるように東岸に叶神社(東叶神社)を分霊したと記されています。

西叶神社の御祭神や由緒

西叶神社の由緒

西叶神社は1181年に創建された1000年以上の歴史のある神社。源頼朝と深いかかわりのある文覚上人が、源氏の復興を願って京都の石清水八幡宮を勧請したのが始まりで、その願いが叶ったことから頼朝によって「叶大明神」と呼ばれるようになったそうです。

御祭神

誉田別尊(ほんだわけのみこと、応神天皇のこと)

比売大神(ひめのおおかみ)

息長帯比売命(おきながたらしひめのみこと、応神天皇の母である神功皇后のこと)

以上の三柱を八幡大神と総称します。叶神社もそのひとつですが、全国に4万社あるという八幡様を祀る神社の総本宮は大分県の宇佐神宮です。

社殿

西叶神社拝殿

拝殿に間近でカメラを向けるのが苦手なので写真は遠くからですが、外から見える梁に龍の見事な彫刻が施されていました。現在の社殿は天保13年(1842年)に建てられたもので、本殿と幣殿(本殿と拝殿の中間にある献上物を捧げる場所)は総ヒノキ造り、本殿の柱や扉には金箔を使うなど豪華なものです。

西叶神社の社殿彫刻について

拝殿の内外にある彫刻を手掛けたのは安房の国の名工、後藤利兵衛。当時の建築と芸術の最高技術を用いて建てられた社殿だそうです。

かかった費用は3千両という記載もあったのですが、今の価格ならいくらなのかと思って調べてみましたが一概には言えないようで。日本銀行金融研究所貨幣博物館のサイトを見ると江戸時代の1両の価値は、大工の工賃で比較すると約35万円とのことなので、35万円×3,000両≒10億。米の価格で比較すると6万円×3,000両≒2億円。まあすごくお金がかかってるということはわかる。

狛犬

こちらは西叶神社の狛犬さん。一般的には口を開いているもの(阿形)と口を閉じているもの(吽形)とで一対になっていますが、西叶神社の狛犬はどちらも口が開いているように見えます。この後に伺った東叶神社では狛犬はどちらも口を閉じているようなので、西と東の叶神社で一対になっているのかもしれません。(特に神社の公式HPや由緒書きにも記載はないですけど、ブログなどで言及している方多し)

境内社

境内社

左の石の鳥居が「福寿弁財天」

右の赤い鳥居の先には「船守稲荷神社、三峯神社、大鷲神社、淡島神社」の4社が並んで祀られています。

境内社(老山福寿稲荷社)

こちらは「老山福寿稲荷社」

左側にある階段に金毘羅権現社遥拝所と書かれていたので登ってみました。

遥拝所

登り切ったところにある祠。段数的にはたいしたことないですがかなり急な石段。足元にはご注意を。

西叶神社より海を臨む

遥拝をする金毘羅権現社がどちらにあるのかは分からなかったのですが、遥拝所からは浦賀の海が見えました。そして良く見ると東叶神社の社殿も。

御朱印と勾玉(お守り)

西叶神社の社務所

拝殿に向かって左側に社務所があり、御朱印やお守りをいただくことができます。

西叶神社御朱印

※私は御船印や鉄印を集めていますが、神社の御朱印はそれとは意味合いが全く異なり、神社との縁を結ぶ神聖なものと考えています。スタンプラリーのような感覚で拝受している訳ではありません。

訪問した時には開運半島詣りという、三浦半島にある龍にちなんだ神社3社による企画があり、龍のイラスト入りの限定御朱印がいただけました。(書き置きのみ、初穂料500円)

通常の墨書きの御朱印(初穂料300円)もありました。夏には京急が企画する夏詣の限定御朱印もあるそうです。

西叶神社の勾玉

西叶神社でいただけるお守りの勾玉(初穂料500円)。もう一方の東叶神社ではお守り袋の授与(初穂料500円)があり、2つを合わせると縁結びのお守りが完成します。

勾玉は私が選んだヒスイ(グリーン)の他、水晶(透明)とメノウ(ピンク)がありました。色による御利益の違いはないそうです。

西叶神社のアクセス等

授与所受付時間8:30~17:00
駐車場8台(無料)

・徒歩 

京急線浦賀駅から16分(1.3km)。浦賀海道沿いに遊歩道があって眺めが良いので、今回は浦賀駅から歩きました。

・バス 運賃180円(IC178円)

浦賀駅から「久10」「久9」京急久里浜駅方面のバスに乗車、乗車時間3分。「紺野町」下車すぐ。1時間に4本程度あります。

浦賀の渡しで東岸へ

浦賀の渡し

西叶神社から東叶神社のある対岸に渡るために浦賀の渡しに乗りました。乗船時間は3分。

船の名前は愛宕丸。かつて東叶神社の祭礼時に神輿を運んでいた「御座船(ござせん)」をイメージして作られたそうです。

浦賀の渡しの呼び出しボタン

運行時間は7時~17時。時刻表はなく、渡船場に船がいればそのまま乗船、対岸にいる場合は呼び出しボタンを押すとすぐに来てくれます。定員は12名ですが、乗船者がいるとすぐに船が出るので混雑するようなことはあまりないと思います。

乗船料(片道)
大人400円
小・中学生200円
自転車・大きな荷物50円
※未就学児は大人1名につき1名まで無料。横須賀市民は半額割引あり。
◆ワンデーパス
大人600円
小・中学生300円

浦賀の渡しの乗り方や御船印のもらい方など、詳しくはこちらのブログを。

エルマール浦賀テラスカフェで昼

カフェエルマールの建物

東叶神社に行く前にお昼を。東渡船場のすぐ脇にカフェがあったので入りました。

セルフのカフェですが、海や浦賀の渡しが行き来するところを見られるテラス席で食事ができます。

東叶神社の縁結びの御利益にちなんだメニュー「縁結び&お抹茶セット 1,320円」を注文。ボリュームもたっぷりで美味しかったです。

エルマールのテラス席より

とても眺めが良いです。

東叶神社にお参り

東叶神社のアクセス等

浦賀の渡し東渡船場

浦賀の渡しの東渡船場に着きました。

東叶神社への案内板

東渡船場を背にして、まっすぐ進みます。渡船場から300m、徒歩5分くらいで到着します。

東叶神社の鳥居
授与所受付時間9:00~17:00
駐車場あり(無料)

浦賀駅から直接、東叶神社にアクセスする場合

・徒歩 

浦賀駅から15分(1.2㎞)。ほぼ平坦な道のりです。

・バス 運賃180円(IC178円)

浦賀駅から「かもめ団地」「観音崎」行きに乗車、「新町」下車、徒歩3分。乗車時間は2分です。

休日は1時間に6本ほどあるので、調べなくても大丈夫だと思います。(平日も1時間に4~12本あり)

拝殿と狛犬

東叶神社拝殿

東叶神社は西叶神社に比べると広々。拝殿の後方には裏山の緑が広がっています。

タイミングなのか誰もいなかったのでゆっくりとお参りすることができました。

拝殿下の向かって右側には弁天様が祀られています。

さて、西叶神社と対になっているのではという狛犬。どちらも口を閉じているように見えますね。そして2体とも足元には子供の狛犬さんがいます。

明神山山頂にある奥宮へ

裏山である明神山の山頂に東叶神社の奥宮があるとのことで登ってみました。標高は53mなので大したことはないのですが、なにしろ急な階段なのと運動不足なもので。ちょっと大変でしたが10分くらいで登ることができました。

この明神山は「叶神社の社叢林」として神奈川県の天然記念物に指定されているそうです。

恵仁志坂

最初の階段は恵仁志坂(えにしざか)と名前がついています。奥に見える赤いお宮は湊稲荷社。

明神山の道

階段自体は幅があって広く、手すりもあって整備状態も良いのですが、途中少しだけぬかるんでいる所がありました。サンダルやヒールの靴では登りづらいと思います。

産霊坂

こちらの坂は産霊坂(むすびざか)。これを登り切れば山頂です。

東叶神社のホームページを見ると、この2つの坂にちなんで

「縁(えにし)=恵仁志坂(えにしざか)」があって、「結ばれ=産霊坂(むすびざか)」て願いが叶う

と書かれていたので、坂を登ってから縁結びのお守りをいただいた方が実感が湧くように思いました。

東叶神社奥宮

5月ですがかなり気温も高く、汗だくで登り切りました。ひとまず奥宮に参拝を。

勝海舟断食の地

奥宮の前には、勝海舟が断食修行を行った場所として「勝海舟断食の碑」がありました。

断食の碑の後方、左に境内社の神明社、右が東照宮。

殉職者招魂塔

こちらは住友重機械工業株式会社の殉職者招魂塔。戦争や不慮の事故で亡くなられた方の慰霊塔です。

明神山山頂からの眺望

殉職者招魂塔の奥にはこんな素晴らしい眺望が広がっていました。登ってきた甲斐がありました。ベンチもあって休むこともできます。

ティーサロン・アカンサス

ティサロンアカンサス

また結構汗だくになって降りてきたのですが、恵仁志坂の入口辺りにカフェがあったので当然のごとく入ってみました。神社の境内に、しかもこの裏山の森の中に茶屋ではなくティーサロンって珍しいのでは。

ティーサロンアカンサスの外観

とても静かで雰囲気も良し。テーブルが3つくらいの小さなお店です。

テーサロンアカンサスのアイスコーヒー

メニューはコーヒー、紅茶、オレンジジュースの他、スコーンセットがありました。

お店の方は気さくな感じで、汗だくの私を見て「上まで行ってきたのー?大変でだったしょう」と言いながら急いでアイスコーヒーを作ってくれました。

窓から海も見えました。

御朱印とお守り袋

東叶神社の御朱印

社務所で御朱印を頂きました。(初穂料500円)

戦国時代には浦賀城があった場所でもあるので、御朱印の他に浦賀城の御城印もありました。

そして東叶神社ではお守り袋(初穂料500円)を頂きました。緑、青、ピンクがありますが、勾玉の色に合わせて緑にしました。

西と東の叶神社のお守り

西と東の叶神社を参拝し、1つのお守りが完成しました。大切にします。

感想など

東叶神社前の海

東叶神社の目の前には海。

どちらの神社も海を臨む場所に建つということもあり、気持ちが良かったです。東叶神社はぜひ裏山の明神山に登って欲しいと思います。山頂まで登る人はあまりいないため静かな時間が過ごせました。木々がうっそうと茂っていますが別に怖いような雰囲気もなく、奥宮に手を合わせている時には頭がすっきりとするような感覚になりました。招魂塔の奥から見下ろす海も絶景です。

西叶神社と東叶神社は全く別の宮司さんが守ってらっしゃって直接の関係はないそうですが、それぞれの神社で勾玉とお守り袋をいただいて1つのお守りになるというのは「縁を結ぶ」お守りとして説得力があるなと思いました。そして2つの神社を結ぶ浦賀の渡しも楽しい体験でした。

東叶神社を参拝した後は、浦賀の渡しで西岸に戻り、バスで久里浜駅へ向かいました。そこから久里浜港へ行って東京湾フェリーに乗ってきました。日帰り旅の後半の様子はこちらから。

それでは楽しい旅を。

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