リンガーハットはもちろん東京にもあるのですが、すごく特別なリンガーハットが長崎にあるのではるばる行ってきました。そうです、長崎ちゃんぽんリンガーハットの発祥の地、1号店である長崎宿町店で長崎ちゃんぽんを食べてきました。チェーン店なので全国どこでも同じ味のはずなのに、なぜかとても美味しいと感じたのはなぜでしょうかね。
(旅行時期 2020年8月)
長崎駅からのアクセス
JR長崎駅から7㎞ほど離れた場所にありますが、駅前から路線バスに乗れば25分くらいで着きます。バスの本数も割と普通にあります。
長崎駅前南口バス停から県営バスに乗り、「朝日ヶ峰」で下車します。運賃は片道260円。全国交通系ICカードが利用できます。
この図で言うと「2番」の長崎駅前南口バス停から乗車します。
駅前のペデストリアンデッキの上から見た写真ですが、JR長崎駅を背にして右側の方に目をやると大庄水産の大きな看板が見えると思うのですが、そのすぐ前にバス停があります。駅に隣接するショッピングモールアミュプラザ長崎の向かい辺りです。
長崎駅前南口バス停に着きました。長崎駅周辺のバス停は点在しているせいか、乗り場によってバス停名が違います。
どのバスに乗るかですが、ペンギン水族館に行くバスであれば確実です。
長崎駅前南口バス停の県営バス時刻表は上下2段になっていますが、下の段のバスであれば全て「朝日ヶ峰」を通ります。行先にぺんぎん水族館、もしくは矢上(矢上団地、矢上大橋など)かイオン東長崎と入っているバスであれば大丈夫です。
朝日ヶ峰バス停で下車
県営バスに揺られること25分、最寄りのバス停に到着。
普通なら帰りのバスの時間を確認するのですが、ここは10分に1本は来るので。
バス停を降りてさらに進行方向を見ます。おっ!
おおっ!!もう見えている。
バス停から徒歩3分ほどで到着です。
店に入って注文
昼のピークは過ぎた時間だったので待っている人もおらず、すぐに席へ。高台にあって眺めがいい点以外はごく普通のリンガーハット。
もう注文するものは決まってるんですけど、感激してメニューをじっくりと見る。
自分から進んで地元の方に話しかけることは滅多にないですが、なんか嬉しくて「私、このお店で食べるために東京から来たんです。うふ」と言ってしまいそう。そんな恩着せがましいことはしたくないので、努めて平静を心掛けました。
「長崎ちゃんぽん、お願いします」
言えた!普通に!当たり前のように!
そうよ、遠方から来たことを悟られてはいけないのだ。その後も静かに提供を待ちました。
これが1号店の長崎ちゃんぽんだ
来ました。なんの変哲もないいつもの長崎ちゃんぽんのように見えます。
では、いただきます。
麺も食べ慣れたいつものなんだけど、
具材もスープのミルキーな感じも、いつものなんだけど…
なぜかとても美味しいのだ。なぜ、なぜ、、、、
発祥の店の証
平静を装いながら完食し、お会計を済ませます。
長崎ちゃんぽん税込616円なり。とても感じの良い店員さんが会計をしてくれました。
その笑顔を見たら「東京から来ました、わざわざ」とまた危うく言ってしまいそうに。
いかん。このお店がどこまでも普通のリンガーハットを演じている限り、私もごく一般の客として振舞わなければ。最後まで。あと少し。
帰り際、ふと出口横の壁を見ると、この店の名前の由来となったフレデリック・リンガーの写真が飾られていました。
そしてリンガーの写真の下に小さく「リンガーハット発祥地 1974年8月13日」のプレートがありました。
なんと奥ゆかしい。全国のリンガーハット約600店の中でも発祥の店と言う特別なお店なのに、敢えて威張らないというこの姿勢。プレートに気付かなければ、たくさんあるリンガーハットの中のただの1店舗という位置づけになってしまうかもしれないのに。
自分が注文した料理以外の撮影をする時にはお店の方に許可をいただいているのですが、ここでもさりげなく自然にを心掛けてお願いすると、「はい、どうぞ」と快くお返事いただけました。しかもどこから来たかなどは聞かれずに済んだ。ほっ。
朝日ヶ峰のバス停に戻る道路から見た景色。この辺りは高台になっていて眺めがとても良いです。
リンガーハットはセントラルキッチンや自動調理機器を導入して味の均一化を図っているそうなので、この店舗だけ美味しいということはないはず。なのになぜかスープにコクがあって、野菜もしゃきしゃきしていて甘く、東京で食べるのものと違うように感じたんですよね。登山後に山頂で食べるカップラーメンがとても美味しく感じるというあれと同じ現象か。
帰りも県営バスに乗って帰りました。ほとんどが長崎駅前行きですが、たまに他方面のバスが来るのでバス車体の行先をよく確認してから乗った方がいいです。長崎駅前行きは10分に1本くらいあります。
グラバー園にあるリンガー邸にも行ってみた
グラバー園には有名なトーマス・グラバーの邸宅を含め、同じように150年以上前に建てられた国の重要文化財に指定されている建物がいくつかあります。リンガー邸もそのひとつです。
英国人のフレデリック・リンガーは幕末から明治にかけて長崎で貿易商として活躍した人です。当然ながらご本人はリンガーハットの経営に何の関係もないのですが、郷土長崎の大商人にちなんでリンガーハット(リンガーさんの小さな家という意味)という名前をつけたそうです。
グラバー園のリンガー邸に飾ってあったフレデリック・リンガーの写真。まさか自分の死後にリンガーハットなるお店が全国展開するとは思わなかったでしょうね。
リンガー邸内にはリンガーや家族に関する展示の他、リンガーが開業に関わったナガサキホテルで使用されていたカトラリーセット(100年前のもの)の展示がありました。当時は極東一豪華と言われていたそう。
何回かグラバー園に来たことはあったんですが、リンガーハット長崎宿町店からの流れでリンガー邸を見た今回が1番興味深く見学できました。
感想
確かに今回食べた長崎ちゃんぽんは美味しかったんです。帰ってから調べてみたけど、九州のリンガーハットは美味しいとあったり、いや10年前からセントラルキッチンになって味が落ちたなどなど、詳しいことはわからず。何年か前にケンミンSHOWで特集された時に、リンガーハットの偉い人が「全国どこの店舗でも味は同じ」と言っていたような記憶(あやふやだけど)があり、やっぱり旅の高揚感と長崎の空気がスパイスだったんでしょうかね。
店舗入口に飾ってあった「発祥店」のプレートを見た時や、名前の由来となったリンガー邸を見に行った時など、この旅は単にリンガーハット発祥店に食べに行くという以上に長崎の歴史を感じる楽しいものだったなと思いました。
それではまた、楽しい旅を。