2019年春に、青春18きっぷを使って北海道の札幌駅から熊本県の平成駅までほぼ在来線で旅をしました。ほとんど列車に乗っているだけで(自分の計画性のなさから)食事もままならず、あまり財布を開いていないような気も…。ふとどれくらいの予算でこの旅ができたのかと思ってまとめてみることしました。
旅がどんな感じだったかはこちらから
事前準備と経路
美味しそうな店や行ってみたい場所などを見聞きした時にグーグルマップにチェックしておいたり、ざっくりとどの辺りに行きたいなと思うことはある。けれど普段1人で旅をする時は飛行機のチケットを取るだけで、宿もその日に決めることが多く、今回も
・青春18きっぷを買って、5日連続で使おう
・だったら北海道から九州くらい行けるのでは
・ならば東京→札幌、鹿児島→東京の飛行機を取るか
という事前準備と、鉄道の旅なら持っていると気分も盛り上がると思って「コンパス時刻表」(小さめの全国版時刻表)を買ったくらい。青春18きっぷは以前から使ったことがあったのと、北海道と本州が在来線で繋がっていないといった最低限の知識はなんとなくあったので、全く初めての人は(私などの稚拙なブログではなく)鉄道に詳しい人のブログを読んで18きっぷの使い方やルート、不測の事態があった時の対処法などを知っておくといいと思います。
18きっぷ | 経路 | |
東京(自宅)→成田空港→新千歳空港→札幌 | 札幌泊 | |
1日目 | 札幌→函館 | 函館泊 |
2日目 | 函館→青森(フェリー)、青森→横手(秋田) | 横手泊 |
3日目 | 横手→静岡 | 静岡泊 |
4日目 | 静岡→広島 | 広島泊 |
5日目 | 広島→熊本 | 熊本泊 |
熊本→鹿児島→鹿児島空港→成田空港→東京(自宅) |
(節約メモ)前後泊するとその分費用がかさむ。成田発だったら7時台の便に乗って新千歳空港駅からそのままスタートするとか、5日目の最終便で福岡空港や熊本空港などから帰る計画を立てるのもいいかも。(スケジュールがタイトだと何かあった時に怖いけど。)事前に何も計画してなかったから鹿児島空港からのチケット取ったけど、熊本空港だったらだいぶ節約はできただろうと思う(が後悔はない。)飛行機はLCCであっても当日予約だと高いし満席のことも多い。
費用について
交通費
■青春18きっぷの旅の交通費
青春18きっぷ(5日分) | 11,850円 |
津軽海峡フェリー(スタンダード) | 2,220円 |
その他(フェリー乗場や宿までのバスなど) | 1,200円 |
合計 | 15,270円 |
■東京→札幌、鹿児島→東京の交通費など
高速バス | 東京駅→成田空港 | 1,000円 |
飛行機(バニラエア) | 成田→新千歳 | 3,500円 |
JR | 新千歳空港→札幌 | 1,150円 |
高速バス | 熊本駅→鹿児島中央駅 | 3,770円 |
空港リムジンバス | 鹿児島中央駅→鹿児島空港 | 1,300円 |
飛行機(ジェットスター) | 鹿児島→成田 | 4,500円 |
高速バス | 成田空港→東京駅 | 1,000円 |
その他 | 自宅から東京駅までの移動等 | 600円 |
合計 | 16,820円 |
(節約メモ)JR在来線の途切れる函館→青森の移動手段として、青春18きっぷ北海道新幹線オプション券を使ってもフェリーとほぼ同額(2300円)の模様。ただ、一瞬選択しようかなと思った「新函館北斗→新青森を新幹線でワープする」だと7460円(乗車券+指定席特急券)になるみたい。
出発地点の札幌までと帰りの鹿児島から自宅までの移動については住んでいる場所によって選べる手段や金額が全く違うけど、東京在住の私は成田発のLCC(格安航空会社)を選びました。ジェットスター、ピーチ(札幌便だと春秋航空もあり。この時使ったバニラエアはピーチに吸収されて今はない)のサイトを見ると時期にもよるけど片道7千円以下(手数料や手荷物など含めて)で買えると思う。セールならばさらに安い。ただし、遅延や欠航が多い、キャンセルや変更不可、手荷物の持ち込み重量が厳しいなどデメリットもあるので慎重に。LCCは表示された運賃に支払い手数料+手荷物+座席指定……とどんどんと金額がプラスされていくことと、羽田ではなく成田まで行く交通費などを合わせると結局ANAやJALのセールの方が安かったなんてこともあるので。九州方面だったらソラシドエア、北海道だったらエアドゥなどのMCC(中堅航空会社)も安くなっているので是非比較を。
宿泊費
どの宿も進み具合を見つつ、当日の夕方や夜になってから探した。湯らっくす(健康ランド)以外は楽天トラベルを利用して直前に予約。事前に予約すればもっと快適な宿もあるかもしれないけど、なんといっても自由度が低くなるとつまらないので縛り(絶対に今日はこの駅まで辿り着かないとならない)はなるべく作らないようにした。
宿自体は滞在時間が短いから寝られればいいやぐらいの感じで、あんまり吟味せずにとにかく価格重視。実際疲れ果ててて狭いとかそういうのはどうでも良かったし、あんまり悪い記憶もない。ただ、カプセルホテルは男性専用という所も多いので間違って予約しないように注意した。意外と女性が泊まれるところもあるんだなあという印象。
■青春18きっぷの旅の宿泊費
エリア | 宿の名前 | 形態 | 金額(税込) | |
1日目 | 函館 | 湯の川温泉ホテル雨宮館 | カプセル | 2,500円 |
2日目 | 横手 | 横手ステーションホテル | ビジホ | 2,980円 |
3日目 | 静岡 | オレンジホテル | ビジホ | 3,850円 |
4日目 | 広島 | セジュールインカプセル広島 | カプセル | 2,500円 |
5日目 | 熊本 | 湯らっくす | 健康ランド | 2,800円 |
合計 | 14,630円 |
■出発の前日に札幌に着いたので、これは前泊の分
エリア | 宿の名前 | 形態 | 金額(税込) | |
前泊 | 札幌 | ホテルサッポロメッツ | ビジホ | 4,000円 |
宿の価格は当然ながら季節によって大きく変わるので参考程度に。3月の初めなので概ね閑散期の価格だと思う。(クーポンやポイントは使ってない)
(節約メモ)宿の予約なしの場合の注意点としては、最悪の場合にネットカフェや24時間営業の健康ランドやサウナ、カラオケボックスといった選択肢も頭の片隅に入れておくと少し安心度が高まると思う。
夜中のチェックインで翌日は早朝に出発なのに、夏の観光シーズンで宿代が高騰していて直前だと1万円以上の宿しか残っていないとか、それかそもそも空いている宿がないとか、そんなことがあれば私はネットカフェに泊まる。
あとは大都市だと格段に選択の幅が広がるので、例えば宇都宮で安い宿がないとしたら、夜中になったとしても大宮や都内まで進めば宿も多いだろうし、ネットカフェなどその他の施設も増える。
(ネットカフェについての補足)ネットカフェは大都市だと駅前にあることが多いけど、それ以外は駅から離れた国道沿いなどにあってさらに体力を削る場合がある。
どの店舗でも安定してきれいで女性でも安心なところだと、快活クラブというチェーンのネットカフェがいいと思う。ここは鍵付き完全個室やそうでなくても女性専用室があったり、コインランドリー完備の店舗も増えていて(全部ではない)意外と重宝する。でも完全個室になると料金も9時間パックで3千円弱(店舗によって全く違う)くらいになるので、選択肢があるなら安いビジホと変わらないことも。(ちなみに完全個室のない一般的な快活だったら9時間パックで2千円くらいだと思う。シャワーがない店舗もあるので確認した方がいい)
食費
食費(飲み物や酒なども含む)はざっくりこんな感じ。さわやかのハンバーグや駅弁食べたりした程度で、移動がメインだからそんなに使っていない。
・18きっぷ旅の食費 1日平均3,000円 × 5日 = 15,000円
・旅の前後の食費(札幌と鹿児島) 10,000円
・おみやげ 5,000円(主に酒)
出発前日の札幌と東京へ帰る前の鹿児島で美味しいものを食べたので1万円ほど使ってしまった。
(節約メモ)食費は個人差が大きいから、食にはこだわらずにコンビニ飯や駅そばなどで賄うのであればそんなにかからないと思う。私はできるならば積極的に美味しいものを食べたい派だけど、よく考えてなかったのでなかなか食べ物にありつけなかった。
帰る日に鹿児島の仙巌園で桜島を見ながら食べた御膳。すんごく美味しい。
こっちは鹿児島空港で食べた鹿児島のソウルフード「山形屋のやきそば」安定の味!うまい!
費用のまとめ
青春18きっぷ旅の費用(5日分)をまとめると約45,000円だった。
交通費 | 15,270円 |
宿泊費(5泊) | 14,630円 |
食費5日分 | 15,000円 |
合計 | 44,900円 |
それ以外の、東京(自宅)→札幌、鹿児島→東京の移動、前泊の宿泊代などをまとめると約36,000円だった。
交通費 | 16,820円 |
宿泊費(前泊) | 4,000円 |
食費2日分 | 10,000円 |
おみやげ | 5,000円 |
合計 | 35,820円 |
合計でだいたい8万円ですってよ。なんか軽く台湾くらい行けそう。
高いのか安いのかわかんないけど、よくある「青春18きっぷを使えば、たった11,850円で日本縦断できるんですよー」という言葉を鵜呑みにしてはいけないというのだけはわかった。決して安く旅行するためのお得きっぷではない。きっとJRは「鉄道好きにはそのへんの青春18きっぷでも与えておけ!」と思いながら季節ごとにこの切符を発売しているかもとさえ思える。列車にただただ乗るのが好きでたまらない人へのサービス切符だと思うので、利用の仕方を誤ると辛い旅になってしまうのでは。でも、今でも1番よく動画や写真を見返したりするし、とても贅沢な時間だった。行って良かったし、懲りてないし、大変だったことだけ記憶が薄れていくし、きっとまたやる。
宿のまとめ
自分のメモとして泊まった宿の感想や写真を貼っておきます。1人旅とかで宿代を節約したい人向けです。
ホテルサッポロメッツ(札幌)
前泊で泊まったビジネスホテル。札幌駅までは地下鉄で2駅。
なんかマンションみたいな部屋で、洗濯機と乾燥機が部屋にあるところがすごい気に入っている。部屋も21平米あって広々していてきれい。ホテルの1階がローソン。普通に1人旅とかだったらここ拠点で連泊して札幌観光してもいいと思える。まあ私が思う安宿は3千円以下なのでここはリーズナブルなビジネスホテルという感じか。デメリットはトイレがウォシュレットではないところ。
湯の川温泉ホテル雨宮館(函館)
自分的に何かの時に覚えておきたい宿。温泉ホテルの中にある男女別のカプセルルームで1泊2500円だった。ここの良さは24時間入浴可能な源泉かけ流しの温泉があること。長旅の疲れを癒すしめちゃくちゃ気持ちいいし、実際翌日のすっきり感が違う。お風呂場にコインランドリーもある。
女性が泊まれるカプセルホテルって少ないけど、ここは完全に男女別に分かれているし、女性用カプセルルームの入口には施錠もあり。食べなかったけど簡易朝食も無料で用意があった。あとフロントの人がみんなフレンドリーで、なぜか瓶に入ったクリオネを見せてくれた。
デメリットは清潔だけど施設が古いことと、函館駅からは市電で30分(運賃250円)かかるので結構遠い。
横手ステーションホテル(秋田)
横手駅から徒歩1分、駅の目の前の立地。私は朝が苦手だけどホテルが駅の目の前だったので朝7時の列車に間に合った。とにかく立地と安さ。かなり年季が入った部屋でたぶん禁煙室はないと思うのでニオイが気になる人は…。ドライヤーはフロントでの貸し出しで部屋にはなく、風呂上りに気付いたけど借りに行く元気がなかった。
オレンジホテル(静岡)
この日は15時間くらい列車に乗っていたので記憶がゆらぐけど、古いけどきれいにしてあってぐっすりと眠れたと思う。禁煙室もあって無臭。ランドリー室があったのを確認したけど疲れすぎて使わずに寝た。文句はないけどよく探せばもっと安価なホテルがあったかもしれないなとは思う。ここは駅から徒歩7分。静岡駅は駅前に完全鍵付き個室の快活クラブ(ネットカフェ)があるので、体力のある人はそちらでも。
セジュールインカプセル広島(広島)
広島駅から市電で25分だったので遠いと思ったけど、原爆ドームや平和記念資料館からは徒歩圏内みたい。施設がとてもきれいで、無料の朝食が結構美味しかった。1泊2500円で朝食が付いてくるのはでかい。各フロアごとに洗面台やシャワー室があって、フロアの収容人数が少ないので他のお客さんとすれ違うようなこともほぼなかった。大浴場はなくシャワー室がある。
デメリットはフロントを通らなくても外から各フロアに行けてしまうのがちょっと気になった。あとフロアが男女別になってなくてトイレも男女共用なのよ。女性専用フロアとかあればまた利用するのに。広島は大都会なので酔っ払いがいてうるさかった。
取った量の少なさから疲労困憊して食欲がなくなっていることがわかる。
湯らっくす(熊本)
ゴールの駅「平成駅」から徒歩5分のところにある24時間営業の健康ランド。好き過ぎて東京在住なのに10回以上利用している。ここは水風呂が最高。熊本は水道水であっても阿蘇の天然水を使用していてきれいな水なんだけど、湯らっくすではわざわざ井戸を掘って熊本平野で1番きれいと言われている水脈から地下水を確保しているそう。しかも日本一の水深(男性用171cm、女性用153cm)があってざぶんと立ったまま肩まで浸かれる。温泉、サウナ、水風呂と繰り返して3時間くらい風呂場にいた。
こういう24時間営業の健康ランドは深夜が清掃時間になっていて遅く到着すると風呂に入れないということもあるけど、湯らっくすは清掃時間が朝8時~10時までの2時間で、それ以外の時間(夜中も)は存分に風呂とサウナが堪能できるので素晴らしい。
レストランのご飯も美味しい。
通常のテレビ付きのソファーだけじゃなくてドミトリータイプの休憩室(男女別、カーテンあり)があるので周りを気にせず寝られるのも良い。
詳しくはこちらの湯らっくすのホームページを
(旅行時期 2019年3月)
※2022年4月追記。ドミトリーが予約制になっていました。女性専用スペースもあり。