【秘境・JR峠駅を訪問】峠の茶屋でお餅と酒でひと休み、名物力餅を購入

山形県
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峠駅で立ち売りの力餅を購入したことはあるのですが、1度駅に降りてみたいと思っていました。駅前には力餅を販売している峠の茶屋があり、店内でお餅やお蕎麦などの軽食、お酒をいただくことができます。120年以上続く駅の立ち売りの力餅も美味しくて、来た甲斐がありました。

2023年8月訪問。2024年3月のダイヤ改定で列車時刻が変わっているので、改定後のスケジュール案を追記しました。

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スケジュールを立てる

さすがの私も山の中にある駅に取り残されると困るので時刻表を調べました。本数が極端に少ないので数時間で往復できるのかなと思いつつ見ていたのですが、このスケジュールで行くことに。

◆2024年3月のダイヤ改定でこの時間の列車はなくなりました。下記に代替案を追記しました。

行き) 福島駅16:04→峠駅16:32
※現在は庭坂駅止まりとなり、峠駅まで行きません。

帰り) 峠駅18:01→福島駅18:30

峠の茶屋 
営業時間:7:30~18:00
(冬季店内飲食休止)

力餅 駅売り 7:30~18:00
(電話予約により19:00まで延長可)

峠の茶屋公式サイト

追記

訪問時にあった1時間半滞在できるダイヤはなくなったので、現行ダイヤでのスケジュールを考えてみました。

奥羽本線の福島、米沢間の普通列車は1日12本。下記は検討しやすいように書き出しただけなので、実際に乗車する際はJRの時刻表など最新情報をご確認ください。

福島峠(着)峠(発)米沢
7:147:437:438:00
8:088:368:378:54
12:5113:1913:2013:37
17:4318:1218:1218:30
19:4120:0920:1020:27
21:4122:0922:1022:27
※2024年3月ダイヤ改定
米沢峠(着)峠(発)福島
7:167:337:338:01
8:088:258:268:53
13:0813:2513:2613:54
17:4418:0118:0118:30
18:4218:5919:0019:28
20:4120:5820:5921:26
※2024年3月ダイヤ改定

◆ちょっと駅を見るだけプラン(滞在7~12分)

(行き)福島12:51→峠13:19
(帰り)峠13:26→福島13:54

(行き)米沢8:08→峠8:25
(帰り)峠8:37→米沢8:54

◆峠の茶屋で休憩プラン(滞在43~64分)

(行き)福島7:14→峠7:43
(帰り)峠8:26→福島8:53

(行き)米沢7:16→峠7:33
(帰り)峠8:37→米沢8:54 など

◆峠駅堪能プラン(滞在 約5時間)

(行き)福島8:08→峠8:36
(帰り)峠13:26→福島13:54

(行き)福島12:51→峠13:19
(帰り)峠18:01→福島18:30 など

福島と米沢のどちらから来るかにもよりますが、2024年のダイヤだとこんな感じ。峠駅から徒歩1時間の所に温泉があるらしく、5時間滞在なら往復できますね。

福島駅を出発

福島駅の駅名標

行き) 福島駅16:04→峠駅16:32
※16:04発は2024年3月のダイヤ改定で庭坂駅止まりとなり、現在は峠駅まで行きません。

福島から奥羽本線の米沢行きに乗って峠駅へ向かいます。峠駅は無人駅なので切符(片道420円)を購入しました。

奥羽本線米沢行列車

2両編成。ドアは開閉ボタンを押さないと開きません。

奥羽本線からの車窓

福島から米沢の間には吾妻連峰が連なり、この列車は峠を越えて走ります。峠駅は峠越えの中でも標高がほぼ1番と言えるような高い場所にあるそうで、もしかしたら向こうに見える山がそうなんでしょうか。

奥羽本線からの車窓

どんどんと山が迫ってきました。緑いっぱいで目が良くなりそう。

奥羽本線板谷駅

1つ手前の板谷駅。峠駅と同じようにスノーシェルターに覆われていました。1月~3月の積雪時期は列車が停車せずに通過措置が取られています。豪雪地帯の山の中ですからね。

奥羽本線峠駅ホーム

予定通り16:32に到着しました。福島駅からは4つめの駅、所要時間は28分。

奥羽本線峠駅駅名標

1つ先の大沢駅は2024年11月末をもって全列車の停車がなくなりました。何度か通過はしましたが下車することは叶わないままでした。

峠駅で下車したのは5人。私以外は旅館の送迎車と思われる車に乗ってすぐに消えて行きました。この先に温泉があるみたいです。

奥羽本線峠駅の切符入れ

使用済みの切符はこちらの箱へ。夜間は出入口の照明を自分で点けるんですね。

峠駅を見学

滞在時間は1時間半ほどあるので駅を見て回ろうと思ったのですが、まず目に飛び込んできたのがこれ。作業中の社員がクマに襲われるとか恐ろしすぎる。

奥羽本線峠駅

米沢方面を見ると建物が二手に分かれています。線路は右側に伸びていますが、左側はかつてスイッチバックの折り返し用レールが敷かれていたそうです。

この辺りは峠越えのため傾斜がきつく、昔はスイッチバッグを行いながら峠を登り降りしていました。赤岩駅(現在は廃止)、板谷駅、峠駅、大沢駅(現在は通年休止)の4つの駅に連続してスイッチバックの設備がありましたが、山形新幹線開通のための路線改良によって1990年に廃止されました。

ホームを降りると、スイッチバック遺構の方向に出口の案内があります。(トイレはここに)

この先がスノーシェルターの出口。スイッチバックを行っていた場所ですが、現在はレールが取り外されて通路として整備されています。

言われないと駅には見えないですね。冬はどれくら雪に覆われるんだろう。

スノーシェルターの外側に沿って戻ってみます。

ここに駅名票が掲げられていたんですね。素朴な感じがとても良いです。

峠の茶屋でお餅とお酒を

スノーシェルターの出口を出た所。勝手な想像で、山深い場所なので峠の茶屋以外は何もないのではと思っていたのですが、他に綺麗な和食店がありました。あとから調べたら山菜料理が美味しいお店だそうです。(予約をした方がいいみたい)

そしてお目当ての峠の茶屋。営業中の看板が出ていました。

綺麗に整備されたお庭。

名物の力餅は帰りに駅の立ち売りで買おうと決めていたので、ここではミックス餅と地酒(冷)を注文。

お酒よりコーヒーの方が高いのが謎。手間がかかるから?

お冷は自分で庭の湧水を汲みに行くシステム。

お茶のサービスが経済的な問題でできなくなったと掲示してあり、お店の人も申し訳なさそうにすみませんと言っていたのですが、この自分で湧水を汲むシステムは結構好き。お水自体もまろやかでとても美味しかったです。

きました、きました。

ミックス餅はクルミ、あんこ、納豆、胡麻、ずんだの5種。つきたての柔らかいお餅が大変美味しいこと。

日本酒は銘柄を聞きそびれましたが、すっきりしていて飲みやすかったです。

ここでも峠の力餅を買うことができますが、立ち売りの売り子さんから買った方が雰囲気がいいですもんね。

先客はおらず、食べていたら熟年ご夫婦がやってきました。車で温泉に来たとのことで、私にお餅は美味しいかどうかと声を掛けてきました。峠の力餅のことは知らないと言っていたので教えましたが、知らずにここに辿り着く所がすごいなと思ってしまいました。

峠駅で下車できた喜びと綺麗な空気の中での食事で2倍美味しく感じました。良い時間。

帰りにはお店の方が外まで見送ってくれました。先ほどのご夫婦に力餅がどんなに有名かを力説したら、食事の他にお土産として3箱売れたのでそのせいかもしれません。

ホームで力餅を購入、そして福島駅へ

峠駅に戻ります。

古い峠駅案内図。

駅周辺案内がありました。60分歩くと温泉があるそうです。

ホームに小さな待合室があります。万が一クマがやってきてもドアを閉められる安心感。

山形新幹線が通過する駅とわかっていても、実際に来るとなんだかびっくりします。

列車到着の10分くらい前になると、立ち売りの売り子さんが現れました。1つ購入。(1箱1,000円)

箱と後ろ姿の撮影を快く許可してくださいました。ありがとうございます。

よいお土産になりました。

峠の力餅

帰ってから家族と一緒に食べました。1日経つと硬くなるので、その場で食べた方がより美味しいと思います。滑らかなこしあんが入っていて昔ながらの素朴な味わい。とても美味しいお餅です。

列車がきました。混雑はしていないですが、5,6人の乗客が力餅を購入していました。

2024年で峠駅は開業して125年、峠の力餅の駅売りは123年続いているそうです。峠駅での停車時間は30秒。初めて購入した時は買えるかどうかドキドキしたのを覚えています。

(過去記事)18きっぷで札幌から熊本まで縦断した途中で、峠の力餅を購入しました。↓↓

帰りの列車はワンマンではなく、車内で車掌から切符を購入しました。

福島駅からは新幹線で東京へ戻りました。行きは18きっぷだったので新幹線って早いなぁとつくづく思いました。

感想など

奥羽本線峠駅

今回の旅のメインは福島で桃を食べること。目的を果たした後、帰りの新幹線の時間まで4時間くらいあったので、ふと思いついて上手い具合に訪問ができました。

峠の力餅については120年以上前からホームでの立ち売りが続いていることがすごいですし、そんな伝統が続く駅に降り立ってみたいという夢が叶いました。列車の短い停車中に慌てて力餅を購入するのも楽しいのですが、列車が到着する前からホームで待機している姿も見られ、ゆっくりと購入できたのでよい機会になりました。

駅前に飲食可能な実店舗があると知った時から行ってみたいと思っていたのですが、想像と違わずのどかな雰囲気でのんびりと過ごすことができました。特にお冷は湧水を自分で汲みに行くとかすごく良いです。本当に楽しい時間でした。

列車の本数が少ないので時刻の確認をしっかりと。力餅のホームでの立ち売りは通年行っていますが、峠の茶屋は冬季はお休みなので公式サイトで確認をしてください。

それではよい旅を。

今回の旅で泊まった温泉宿↓

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